炭酸再考その6、炭酸とアルカリとハマケンの関係とは?
友人に縮毛矯正の達人のハマケンって人がいました(まだ生きてるけど)
彼は病を患い現場はリタイアして居ますが、独自の矯正テクと理論でファンも多かったです。
全国各地を講習で周り、講習費を飲んで使い果たすという豪快で破天荒なところもありましたがw
愛されキャラでその技術を後世に伝えようと頑張っている人たちがいます。
まーある意味彼は幸せ者ですね。
そんな後継者の一人である美容空間KAEDEの山口さんがブログを書いてくれました。
彼女は家のお風呂にまでT2sysを導入しくれている炭酸ヘビーユーザーの一人です。
後藤新平の名言に
「金を残して死ぬのは下だ。 事業を残して死ぬのは中だ。 人を残して死ぬのが上だ」
ってのがありますが、これは野村克也さんも好んで使って居た名言です。
まだハマケン死んでないけどw
そんな山口さんのブログに、手荒れとかアルカリ除去とかいろんなワードが出てきたので、アルカリと炭酸の関係について少し話をしてみたいと思います。
炭酸のpHは4.5から5.5の弱酸なのでこの酸がアルカリを中和すると思っている人も多いでしょうが、それは間違えです。
そこまで炭酸は酸度が高くなく、一時的にはpHが下がってもアルカリ残留していればまたpHあがっちゃうので、炭酸を付けただけではpH調整はできません。
通常の肌とか髪には有効ですが、薬液処理されたものにはそれだけでは不足です。
ですから薬液処理されたものに対しては、結構な時間洗い流しが必要ですが、お湯よりは落ちるよって感じでご理解いただければなーって思います。
もちろんお湯よりアルカリ除去はできますよ。
そこにはちゃんとしたロジックがあります。
炭酸の素は水と二酸化炭素ですが、、、、、
二酸化炭素って結構悪者にされて居ますよね、温室効果ガスとか言われ削減目標になっちゃってるやつじゃんって思われた方も多いと思います。
一方アルカリですが、理美容で一般的に多く使われているアルカリ剤はモノエタノールアミンというアルカリ剤です。
まー一度は聞いたことあると思いますが、パーマやカラーで残留するやつです。
先ほど書いた二酸化炭素(温室効果ガス)とモノエタノールアミンには実は深い繋がりがあるのです。
温室効果ガス(二酸化炭素)をモノエタノールアミンが吸着して水溶液の中に留める(外に放出させない)ってのが、電気業界やガス業界の常識です。
これはアミン吸着法といい、二酸化炭素を外に出さない為の技術として確立されて居ますが、なんとものエタノールアミンは二酸化炭素との親和性がとても高い物質なんです。
これを理美容に当てはめると、残留しているアルカリに二酸化炭素を吸着させて水溶液中に遊離させる。
つまり水溶液にしちゃうと言うことで、こうなると容易に外に出しやすくなります。
二酸化炭素の水溶液、、、、つまり炭酸で洗い流すことが容易になると言うことなんですよ。
普通のお湯より炭酸の方が落ちるという根拠はここにあります。
だからと言ってジェルつけたり、炭酸ちょっとつけたぐらいでは流れ出しませんのでしっかり濯ぐと言うのが必要になりますけどね。
こういった効果もあり、さらに弱酸性なので髪や肌に優しく洗い流しができますよ。
以前書いたブログの、「クレオパトラと炭酸」
http://toho1962.blog47.fc2.com/blog-entry-561.html?fbclid=IwAR0KyZvrNHGuX8-HnWoJjYGx3etnrem3fgFNvgSI7Pjy7ypBuvEED5nSk_I
でも書きましたが、薬剤処理すると常在菌まで洗い流しちゃうので皮膚や髪の抵抗力が下がります。
そんな状態を優しく癒してくれるのが炭酸ですが、炭酸を使ったからと言ってすぐに常在菌が増えるわけでもないので、炭酸で流した後も他のケアが必要になります。
炭酸は万能ではありませんので、他のケアのアシスタント的に考えていただけると良いですね。