炭酸再考その10、炭酸泉だと何で血流が良くなるの?
炭酸泉に入ると身体がポカポカ暖かくなって湯冷めしにくくなりますね。
身体が暖まるというのは血流が良くなるってことですが、何で血流が良くなるのでしょうか?
特に冬場なんかは如実にそれを体感する事ができます。
何ででしょう?
元々血液は弱アルカリです。
正常な血液はpH7.3〜7.45と言われており、私たちの身体はそのバランスを保とうと色々機能しているのです。
特に激しい運動とかすると乳酸が溜まるとか言いますよね?
筋肉が収縮するエネルギー源であるグリコーゲン(糖質)が分解され生成されるのが乳酸と言われていますが、激しい運動をすればするほどグリコーゲンの消費は多くなり、乳酸が生成され血液に溶け、その結果血液のpHが酸性寄りになります。
血液が酸性寄りになるとどうなるのか?
血液が酸性になるとアシードシスと言われ代謝が悪くなり、疲労感や脱力感などの症状を感じるようになるそうですが、それを調整して余分な酸を体外に放出しているのが腎臓です。
激しい運動をすると筋肉痛や倦怠感、、、、いわゆる怠い状態になるのはこのせいですが、通常なら腎臓が処理してくれるので時間が経つと正常に戻ります。
そうは言っても、乳酸が溜まると間接的に疲れるので、素早く乳酸を分解できればいいですよね?
その乳酸を分解して正常なpHの血液に戻してくれるのが酸素と言われています。
ですから疲労時には大量の酸素が必要になるのです。
その酸素を筋肉や細胞に送り届けるのが血液中のヘモグロビンです。
ヘモグロビンは赤血球中に存在している酸素の運び屋です。
このヘモグロビンが運ぶ酸素は目的の場所で酸素を放す必要がありますが、血液が酸性寄りになると酸素を放出して、アルカリ寄りになると酸素を放出しにくくなります。
この血液中の酸素の放出を酸素解離曲線といい、これらの効果をボーア効果といいます。
何だか難しくなってきましたね(笑)
まー平たくいえば、酸素を多く放出するためにはこのボーア効果をうまく使えばいいのですが、これに一役買っているのが炭酸なのです。
炭酸泉に入ると皮膚から二酸化炭素が吸収され、血液中で重炭酸イオンに変換されます。
この重炭酸イオンがヘモグロビンの酸素を切り離す効果(ボーア効果)となり、より多くの酸素を供給できるのです。
大量の酸素が酸素が供給されると、今度は酸素不足になり更に多くの酸素を供給しようと血液を流す命令を脳が行います。
それで血流が良くなると言われています。
血液中に止まった余計な酸は腎臓で小便として体外に排出され、血液中の二酸化炭素は息として体外に放出される。
人間の身体ってよくできていますよね!
炭酸はこう言ったメカニズムにも関係してきているんですよ。
だから普通のお湯より代謝は良くなるし、血流も促進されるため暖かくなるんですね。
ですから療養泉として認定されているのです。
ただの空気の入ったお湯とは違いますよ(笑)