泡にしたくない炭酸と、泡でしか比較できないマイクロバブル
最近質問多いのですが、炭酸の泡は2000倍マイクロバブルより大きいとか、、、、、
何度も書いていますが、泡じゃない部分が炭酸です。
正直申し上げて、炭酸はできるだけ泡にしたくないんですよ。
なんで泡の比較しているかというと、マイクロバブルは泡しか比較できるところがないからです。
炭酸とは二酸化炭素が水に溶けたもので、、、、、
泡の部分は水に溶けきれない二酸化炭素なんです。
ですから炭酸とは無色透明の部分で、決して泡ではありません。
できれば全部とかしたいのですが、、、、、、、
炭酸を水(お湯に)溶かし込むには圧力と温度が関係してきます。
圧力が大きければ大きいほど二酸化炭素は水に溶け込みます。
温度が低ければ低いほど二酸化炭素は水に溶け込みます。
しかし、、、、シャンプー台で圧力かけすぎたら、ボイラーぶっ壊れます。
凍る寸前の温度で施術はできません、、、、、、
そして炭酸は不安定な水溶液なので、衝撃が加わるとすぐに水と二酸化炭素に分離したがります。
コーラ振ると飛び出しますでしょ?
あれです、、、、、
ですから、サロンで使うときは泡にしたくないんだけど、物理的な法則に逆らえずに1気圧でその温度に溶け込む二酸化炭素以外は泡になってしまいます、、、、、
これは仕方ないことなんでんすよ、、、、
ですから泡で比較されてもねwwww
そして炭酸とは水溶液です、、、
だから不可視で目に見えないのが炭酸です。
目に見える泡と、見えない水溶液比較されてもなんとも言えませんよね。
泡にするということは、、、、溶けないってことですから、、、、、、
マイクロバブルの泡は空気です、、、、
空気は窒素が七割で、後は酸素とか、二酸化炭素とかいろんな気体で構成されていますんで、水に溶けることはありません。
そこ比較してどーするん?
そしてマイクロバブルは、、、、水です(お湯)
炭酸は水溶液です。
ですから全く別物で、使い所は全然違いますよ。
詳しくは前のブログ読んでみてくださいね。
炭酸再考まとめ
11回に渡り炭酸を再度考えるという意味でシリーズ炭酸再考を書いてきました。
まずは炭酸とは何なのか?を書いたいのが
次に炭酸の効能に触れたものが
炭酸ジェルの特性を書いたものが
炭酸のpHや髪や肌のpHを解説したものが
炭酸と白髪の関係?とか誤解を解くものが
アルカリ剤と炭酸の相互関係を説明したのが
通常のシャワーのお湯と炭酸の違いを書いたものが
家庭のお風呂でも簡単に炭酸を楽しむ方法を書いたものが
自分の炭酸の理念を書いたものが
炭酸泉と血流(ボーア効果)を解説したのが
炭酸とトリートメントの関係を解説したのが
以上で一旦シリーズを終結いたしますが、興味のあるところから読んでください。
一通り読んでいただくと、炭酸をより深く理解できサロンや家庭でも更に楽しんでいただけるかと思います。
おまけ
昭和の親父の生態と、趣味を書いたものが
注意、炭酸とオーディオの関連は全くありません(爆)
炭酸再考その11、トリートメントと炭酸の関係
ちょっと前まで炭酸とトリートメントは相性悪いと考えられていました。
実際、初期の頃には併用はあんまり進めていませんでしたが、、、、
実はインナー処理には炭酸はとても適していることが判明したのです。
以前からも感覚的には相性いいんじゃ無いのって分かっていた事なんですが、データとして出ると説得力ありますね!
社内データではアルカリを残留させて湯洗と、同条件での炭酸水洗ではキューティクルの膨潤を防ぎ表面を整える事がわかったいました。
これは2012年にマルセルに提供したデーターなんですが、当時は過膨潤を防ぎ、pHコントロールで毛表皮を整え、その後の処理(トリートメント)など均一に乗りやすくなると考えていました。
アルカリ残留があると何がいけないかというと、アルカリが残留すると、より多くの水が入り込み髪を過膨潤させることがわかっています。
必要以上に膨潤させると入り込んだ水に髪のアミノ酸やセラミドなどが流れ出し、結果髪が痩せ強度も低下することは分かっています。
もちろんアルカリ残留がない髪も水で膨潤されますが、飽和量というのがあり必要以上には膨潤しません。
アルカリ残留があるとそのリミッターを外しちゃう感じですね。
まーその程度に考えていたのですが、炭酸水は髪の中身のケラチンに作用することがわかりました。
以前から炭酸は肌の角質層に入り込み水分保持力が高いので肌を滑らかにすることが確認されていましたが、同様に髪にはどう作用するか花王が実験したデータがあります。
これからわかることは、水溶性のケラチンなどを炭酸に溶かし込み髪に入れると、髪のケラチンに入り込み水と一緒に抱え込む、、、、、
正にインナー処理に適していることが分かったのです。
花王のデータは炭酸によりコハク酸を髪に蓄積させたものでした。
こう言った経緯から炭酸はトリートメントに最適という結果に至りました。
正に炭酸トリートメントですね!
今後トリートメントシステムに組み込むことで更なる効果が期待できますよね!
是非検証してみてください。
炭酸再考その10、炭酸泉だと何で血流が良くなるの?
炭酸泉に入ると身体がポカポカ暖かくなって湯冷めしにくくなりますね。
身体が暖まるというのは血流が良くなるってことですが、何で血流が良くなるのでしょうか?
特に冬場なんかは如実にそれを体感する事ができます。
何ででしょう?
元々血液は弱アルカリです。
正常な血液はpH7.3〜7.45と言われており、私たちの身体はそのバランスを保とうと色々機能しているのです。
特に激しい運動とかすると乳酸が溜まるとか言いますよね?
筋肉が収縮するエネルギー源であるグリコーゲン(糖質)が分解され生成されるのが乳酸と言われていますが、激しい運動をすればするほどグリコーゲンの消費は多くなり、乳酸が生成され血液に溶け、その結果血液のpHが酸性寄りになります。
血液が酸性寄りになるとどうなるのか?
血液が酸性になるとアシードシスと言われ代謝が悪くなり、疲労感や脱力感などの症状を感じるようになるそうですが、それを調整して余分な酸を体外に放出しているのが腎臓です。
激しい運動をすると筋肉痛や倦怠感、、、、いわゆる怠い状態になるのはこのせいですが、通常なら腎臓が処理してくれるので時間が経つと正常に戻ります。
そうは言っても、乳酸が溜まると間接的に疲れるので、素早く乳酸を分解できればいいですよね?
その乳酸を分解して正常なpHの血液に戻してくれるのが酸素と言われています。
ですから疲労時には大量の酸素が必要になるのです。
その酸素を筋肉や細胞に送り届けるのが血液中のヘモグロビンです。
ヘモグロビンは赤血球中に存在している酸素の運び屋です。
このヘモグロビンが運ぶ酸素は目的の場所で酸素を放す必要がありますが、血液が酸性寄りになると酸素を放出して、アルカリ寄りになると酸素を放出しにくくなります。
この血液中の酸素の放出を酸素解離曲線といい、これらの効果をボーア効果といいます。
何だか難しくなってきましたね(笑)
まー平たくいえば、酸素を多く放出するためにはこのボーア効果をうまく使えばいいのですが、これに一役買っているのが炭酸なのです。
炭酸泉に入ると皮膚から二酸化炭素が吸収され、血液中で重炭酸イオンに変換されます。
この重炭酸イオンがヘモグロビンの酸素を切り離す効果(ボーア効果)となり、より多くの酸素を供給できるのです。
大量の酸素が酸素が供給されると、今度は酸素不足になり更に多くの酸素を供給しようと血液を流す命令を脳が行います。
それで血流が良くなると言われています。
血液中に止まった余計な酸は腎臓で小便として体外に排出され、血液中の二酸化炭素は息として体外に放出される。
人間の身体ってよくできていますよね!
炭酸はこう言ったメカニズムにも関係してきているんですよ。
だから普通のお湯より代謝は良くなるし、血流も促進されるため暖かくなるんですね。
ですから療養泉として認定されているのです。
ただの空気の入ったお湯とは違いますよ(笑)
炭酸再考その9、おいしいのはお蕎麦です。
私は長野県民です。
長野県といえば蕎麦!
来客がある度に蕎麦屋に行きますが、蕎麦屋に行くと必ずあるのがこいつ!
そう、八幡屋礒五郎の七味唐辛子!
美味いのはお蕎麦ですのCMのやつ。
あくまでも七味は素材の良さを引き出すための脇役的な控えめな奴なんですが、その脇役ぶりは定番ですね。
これは炭酸にも繋がります。
願わくば定番の脇役でありたい。
まー厳密に言うと、七味は素材の良さを引き出すために足すものであって、炭酸は素材の良さを引き出すために引くものなんですが。
それは、まー置いておいて(笑)
炭酸は素の状態の肌や髪が美しくあるために存在しているようなものです。
10年以上前にこれをゼロベースって言い出しましたが、髪や肌に必要でないものを取り去り、必要なものを残し、本来あるべき髪や素肌に近づける。
これが炭酸を始めた時の理念です。
肌や髪に不必要なものは汚れであり、必要なものは皮脂です。
汚れに関しては以前にも書いたように大抵の汚れはお湯で落ちます。
毎日ゴミ箱に頭突っ込んでいる人はそう多くはないと思いますが、みんな毎日風呂入ってシャンプーしているわけですから、そんなに汚い人はいません。
むしろ皆さん洗すぎじゃないか?って思えるほど洗っていますよね。
その辺りは以前のブログ、クレオパトラと炭酸で書きましたので、ご一読ください。
炭酸は流し過ぎず、肌の水分量とpHを整えて、本来あるべき髪や素肌にリセットするものであり、それ以上のものではありません。
でも、洗浄力が強すぎる物や、薬液を使った後などは別途油分補給や薬液のリセットは必要ですので、補助的に使っていただければ幸いです。
炭酸再考その1、炭酸とは二酸化炭素が水に溶けたものです
炭酸再考その2、クレオパトラと炭酸
炭酸再考その3、泡にしてどーする
炭酸再考その4、炭酸のpHとは?
炭酸再考その5、炭酸で白髪は治るの?
炭酸再考その6、炭酸とアルカリとハマケンの関係とは?
炭酸再考その7、消えた水、、、、
炭酸再考その8、家庭で炭酸を楽しむ方法